秋本治『ファインダー ―京都女学院物語―』

BLACK TIGERが第2巻まで続いている一方で、こちらは1巻のみでまとまっています。女子高生たちの1年を追った「ラブのない少女漫画」。

第1話 夏-summer-

亀岡にある女子高の写真部に所属している鷹弧(タカコ)、鈴芽(スズメ)、千鳥(チドリ)、燕(ツバメ)の4人は部長から「次のコンクールで入賞しないと戦場に送る!」と脅され、必死になって取材を行うのだが……。

最初の写真が伏線になっていたとは! 意外な感じで夏は終わり、次の季節へと続いていく。

第2話 秋–autumn-

秋のコンクールで入賞しないとまた戦場送りになってしまう4人は、副部長と共に秋の京都市内の撮影旅行に行くことに。しかも、彼女は撮り鉄で実家はカメラ屋! どうりでかなりいい機材を持っているわけだわ……。

もちろん、4人ともコンクール入選で戦場送りはまた回避。そして季節は冬へと……。

第3話 冬-winter-

テレビのインタビューに出てしまって先生から注意されたり(もちろん、クラスメートの機転でなんとか回避できた)、せっかくの撮影チャンスに鈴芽が骨折したり……。冬は災難続きで戦場送りか? と思ったら、最後は両さん並みの悪知恵で切り抜ける(も、すぐにばれてしまう)。

なお、鷹弧はタワマン暮らしでした。京都にもあるんだね……。

最終話 春-spring-

戦場カメラマンの部長が卒業して、写真部は燕が部長を務めることになった。部員も一挙に60人に増え、高校で一番部員数の多い部活となるも、まったく新しい世代の部員たちを指揮するのに一苦労。そして近づく別れの時。一つのカメラに写し出されていたのは30年前の亀岡の街の姿だった……。

シンプルながら味のある作品。

全体を通して、こち亀のようなギャグもなければ、BLACK TIGERのようなアクションもなし。とはいえ、女子高生の1年間を写真という視点で描いたのは秋本先生らしいといったところ。ただ、京都を扱った作品ではありがちな京都弁が一切見られないのが残念。

今どきの萌え系の絵柄に頼らず、秋本先生のタッチで描く女子高生の1年間+αの物語をこの機会にぜひ。

ファインダー ―京都女学院物語― (ヤングジャンプコミックス)
秋本 治
集英社 (2018-04-19)
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