田亀源五郎『僕らの色彩』第1巻

『弟の夫』で月刊アクションの他の連載勢をはるかに上回る圧倒的なマンガ力を見せつけた田亀先生が、またしてもやってくれました。高井唯人先生の『僕はラブソングが歌えない』の陰鬱な最終回を読んだ後で、やっと第1巻を全部読みました。「心ヒリつく青春ドラマ」とあらすじに書いてある通りの出来でした。

高校生の井戸田宙はクラスメイトの吉岡健太に恋をしているゲイの高校生だった。しかし、周りはゲイであることを「気持ち悪い」と思う普通の生徒ばかりに囲まれていて、井戸田は常に息苦しさを感じていた。そんな時に、小さな喫茶店のマスターである雨宮志郎に声をかけられる。そのことをきっかけに彼の店によく行くようになり、井戸田はゲイであることを雨宮さんに打ち明ける。そして、そのことを幼馴染の仲村奈桜にもカミングアウトしてやっと肩の荷を下ろすことができた。

期末試験が終わった後で、雨宮さんに頼まれて宙と奈桜は店の壁に絵を描くことになり、一緒になる時間が増える。一方、宙と奈桜が一緒にいるところを、宙の後輩で彼にフラれた幡瑞希に感づかれ……。

孤独を抱えたままの高校生の宙と年老いたマスターの出会いが、孤独だった宙の世界を変えていく。宙は自分がゲイであることを打ち明けて、自らの世界を広げていこうとするが、その先には苦難が待ち受けているかもしれない。普通とは一体なんなのか? そのことを深く考えさせてくれる。今度も最後まで完走できればと思います。

電子書籍の書店でもかなり長い分量を立ち読みすることができるので、気になる方は試しに読んでみてはいかがでしょう。今作も傑作の予感がします。

田亀 源五郎
双葉社 (2019-01-12)
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