小説

(原文公開:2018年1月2日)

『火花』では「そこそこ有名にはなるが、大ブレイクするまで至らなかった芸人」を書いたピース又吉の第2作は、全く売れない劇作家と学生の淡い恋の物語。

演劇を志して上京した永田は、とあることをきっかけにして青森から来た学生・沙希と出会う。永田は劇団を立ち上げるもなかなか目が出ず、劇団員とトラブルになり人はおろかカネすら足りない始末。そんな時に沙希と同棲することになるのだが……。

前作と同じように主人公が「売れない」ことは共通しているのだが、今回はそこに学生との淡い恋の物語が関わってくる。劇団を立ち上げるも永田たちの劇団『おろか』はあまり売れず、けいこすら満足にできない状況が続く。一方で、永田と同い年の小峰が立ち上げた『まだ死んでないよ』の公演は満員御礼。そして永田と口論の末に劇団を飛び出した青山は、東京のコアなスポットをネットの記事にする仕事を紹介するのだが、最後は沙希との行き違いで……。

今作も、前作以上に胸が締め付けられる描写が最後まで続く。もがいても、足掻いても救われない、しかし最後は少しだけ救われる――。

ハッピーエンドで終わるラブコメ系ラノベと違ってひたすら重い展開が続くが、最後まで是非読んでもらいたい。ライトノベルだけしか読んでいない層は特に。

劇場
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又吉 直樹
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小説

(原文公開:2017年1月27日)

芥川賞受賞前に買ってそのまま積んだのですが、本当に惜しいことをしました。本当に面白かったんだから。文章が良かったけど、書かれている内容はかなり重く、最後の方ではネットの評価に左右される我々に対する問いかけもありました。

正反対の二人が出会い、長い年月を経てどう変わっていくのか。最後まで目が離せませんでした。

(以下、本文のネタバレがあるので追記にて続きを書きます。できれば本を読み終えてから、この先の感想ををお読みください)

火花
火花

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