小説

第1巻が出たのは、前作の『僕は友達が少ない』(以下、『はがない』)が完結する直前だったんだよなぁ……。

倍角文字やフォント変更を駆使したフォント芸を駆使する小説家、平坂読の最新作。前のブログでは感想をちょこっとだけ書いたのですが、その後積んでしまっていました。ゲームをあまりやらない状況なら、そろそろ崩してもよさそうかなと(第1巻だけは再読ですが)。何気に限定版買っちゃったし(^^;。

妹バカの小説家・羽島伊月はほんっとーに妹バカで、担当編集者から

「なっんっじゃっこっりゃあああーーー!!」

「普通でたまるかこの妹キ●ガイが!」

……と怒鳴られる始末。しかも、その後輩である可児那由多は羽島よりも売れっ子だが、出会ったところで……

「おげええええええええ」

と、いきなりゲロを吐かれてしまうわ、何が食いたい? と聞かれると

「先輩のおちんちんがいいです」

と下ネタをダイレクトにかましてくるけど文才は伊月よりも上だったり。

同業者の不破春人はというと、売れっ子作家だけど……

「んー、ツイッターでホモアピール

と、変人もいいところ。しかもリアル妹がいるが、これまたツンデレどころか兄に対する扱いがひどすぎる。んで言い負かされた末に……。

「豚になれ!!」

と怒鳴ってるし! イケメン台無しじゃねーか!!

とにかく、伊月達の周りにはそれ以外にも一癖二癖ある連中ばかりで、そいつらと遊んでばかりだったり。だが、弟と思われている千尋が実は妹だったということがラストでわかったり……と、今後の展開を予想させるシーンも(最新刊ではバレているが、それはまた別の話)。

いやぁ、『僕は友達が少ない』の時以来ですよ、ここまでゲラゲラ笑ったのは。フォント芸もさることながら、エロもゲロも満載。今まで積んでいて損したよorz。

妹さえいればいい。 (ガガガ文庫)
平坂 読
小学館 (2015-03-18)
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小説

ネット回線が元通りになったので、mixhostにサーバーを移転しようと思いましたが、サーバー料金が一括支払いしか受け付けていなかったために断念しました。仮に移転するとしても、今まで通りエックスサーバーにしようかと思います。

先生との関係がご破算(?)となった途端、次々と彩木と先生の周りでピンチの連続! 彩木と先生、果たしてどうなる?

(以下、若干のネタバレあり)

小説

熊倉隆敏先生の漫画版をちょっとだけ読んでいたのをきっかけに、原作ではどうなっていたのか気になり購入。作者初の現代劇であり、ミステリーだが、最後までどうなるか心配しながら一気に読んでしまいました。

(以下、ネタバレ含む)

小説

ハルヒシリーズ、ついに角川文庫本家に登場。但し、スニーカー文庫版についてきたイラストはありません。アニメ第1期第6話まですべて視聴済みで、スニーカー文庫版はとうの昔に読了しています。

キョンは高校入学の日に涼宮ハルヒと出会う。というか、出会ってしまう。キョンは彼女に振り回される形で、彼女の部活設立に協力させられることになる。部室として目を付けたのは文芸部の部室だった。そこに朝比奈みくると転校生の古泉一樹が加わり、SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)を立ち上げるのだが……。

アニメ化されたことがきっかけで原作を読んで10数年、まさか文芸小説という形でハルヒたちに再開できるとは思いもよらなかった。文芸小説になったとしても、アニメを見ていたおかげでハルヒたちがどう動いているのか、それが一目で思い出されるし、キョンを演じた杉田さんの名調子もいまだに脳裏に焼き付いてます。

さて、次は『溜息』ですが、こちらは稿を改めて……。

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川文庫)
谷川 流
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涼宮ハルヒの溜息 (角川文庫)
谷川 流
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小説

全部完結したライトノベルを一気に読み通したいと思い、この際全巻通読をしようかと。まずはエロゲライターとして活躍した丸戸史明さんの初のライトノベルで、二度のアニメ化を果たした『冴えない彼女の育てかた』(冴えカノ)から。

安芸倫也はどこにでもいる冴えないオタク少年だったが、春休みのある日、加納恵の帽子を取ったことから彼女と知り合い、彼女をヒロインにしたギャルゲーを作ろうと思い立つ。彼の知り合いには、外交官を父に持つも自宅ではジャージ姿で売れっ子同人絵師の澤村・スペンサー・英梨々に、見た目はクールだが口を開けば毒舌と下ネタの嵐のライトノベル作家の霞ヶ丘詩羽が居て、この二人に協力を頼みつつ企画書を描き上げるのだが……。

……と、あらすじを軽く消化するのは良いが、この作品には濃いネタが満載なのも特徴。第1巻では、

「バーチャルアイドル? ボーカロイド? 国民的カノジョ? 3Dカ〇タ〇少女?」
「いや、最後のは……」
USB接続するとますます危険なような気が。

というのは序の口で(さすがに3Dカスタム少女は古いかと。残念ながらメーカーは解散しちゃったけど)、

 最低のクズに陥落させられたような俺の叫び声に、年収の低さを嘆くような加藤の驚きの声が重なる。

と、転職サイトのネット広告を思わせる書き方をしたりと……。

不安だらけの(?)倫也の恵をヒロインにしたゲーム制作、いったいどうなっていくのか? 彼の長い物語はここから始まるのだった。

冴えない彼女の育てかた (富士見ファンタジア文庫)
丸戸史明
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小説

はがないアンソロの「トモちゃん」をめぐる話を書いた裕時先生の新作……なのだが、デビュー作を加えると3作品並行で進めているってのはどういうことだってばよ?(ビッグガンガンの原作を含めると4作品)。

大学時代に就職活動をしなかったために、外資系保険会社にパートで入ってそこから正社員となった主人公の槍羽鋭二は、いつも立ち寄る漫画喫茶で女子高生の南里花恋と出会ってしまう。しかし、29歳と社会人とでは立場が違いすぎるし、何より淫行条例の壁がある! 槍羽は彼女を振ってしまうが、そのことが日本支社長の耳に入って業務命令で彼女と付き合うハメになるのだが……。

文章のテンポの良さもさることながら、作品の中に挟み込んでくるゲームや漫画に親近感を覚えたり、かといえば魑魅魍魎とした上役連中の陰謀にはめられて苦戦し、罠を乗り越えてミッションをクリアしたり、花恋のラノベ作家のコーチをしたり……。半沢直樹シリーズや課長島耕作のようなサラリーマンモノあり、かつての恋人との語らいの時あり(しかも29に見えないほど幼い!)……。もちろん、妹も登場します。ソシャゲばっかりやってんじゃねーよと(かつてソシャゲにどっぷりはまって20万損した人間)。

半沢直樹のようなエリートではないにしても、現場で奮闘する人間を描いたサラリーマン小説としても読めるし、かといって女子高生と社会人の年の差恋愛を描いたラノベとしても読める。ここまでお得な小説はほかにないです。

藤真先生(本作ではYan-Yam名義)の絵もさることながら、俺修羅の作者とは思えないほどの筆致に圧倒されることは間違いないです。できればこれからサラリーマンになろうとしている高校生や大学生には、社会で生きていくための厳しさを知るためにも読んでもらいたい。もちろん、20代や30代の人間でも読んでもらいたい傑作です。自分も夢(というか妄想)を持っていたけど、その夢なんてとっくの昔に投げ捨てちゃったよ……。できれば『コンビニ人間』とセットで。方や純文学、方やラノベ。普通に生きるのも難しいし、かといって夢に向かって生きて失敗するというのも……。

29とJK ~業務命令で女子高生と付き合うハメになった~ (GA文庫)
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29とJK2 ~大人はモテてもヒマがない~ (GA文庫)
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小説

(原文公開:2016年1月27日)

ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』と似たような構成をたどりながら、結末は全くの正反対。最後の大逆転劇にはあっと驚かされました。これで漫画版をたっぷり楽しめそうです。井雲先生がどこまで渡辺の変貌ぶりを描けるか見てみたい! てか、それ以前に筆者は間違いなくドラクエ好きだろ……。

弁理士の渡辺正樹は肉体関係まで持った彼女持ちのリア充――だったのだが、彼女のLINEを見て見知らぬ男に浮気されていることを知り、それが原因で彼女と別れる。そして同じ特許事務所の後輩には、渡辺と違うチャラい恋人が! 見事にリア充から非リア充に叩き落とされる。

失意のどん底に叩き落された渡辺は友人と一緒に酒を飲みに行き、美女に連絡先を聞いて出て行く男を見かける。その男の正体は、渡辺の事務所に来たことがある永沢圭一本人だった。永沢は恋愛工学と呼ばれるものをマスターしていて、その日も女性を口説き落としていた。彼から恋愛工学の話を聞いた時に渡辺は、

僕は少し不愉快になって、「永沢さん、ゲームって、ちょっとひどいんじゃないんですか?」と言った。この女の子だって、永沢さんのことが好きだから、大好きだからこんな風にすぐに会いたがっているのに、それをゲームだなんて……。(p55)

と疑問を投げかけ、『ドラえもん』や『世界の中心で、愛をさけぶ』の例えを出して反論する。しかし、永沢の次の一言は――

「だったら、そんなわたなべ君に、女たちはどうやって報いてきたと言うんだい? 現実はフィクションのようにうまくいったのか?」(p56)

そう言われた瞬間、反論することすらできなくなった。Fallout4で言えばステルスからのヘッドショットだった。

好きだった女にはことごとく捨てられたことを思い出した渡辺。彼は「フレンドシップ戦略」(友達からはじめて親密度を深めて、最後に告白したりして彼女になってもらい、セックスをしようとすること)を繰り返す「非モテコミット」(欲求不満な男が優しくしてくれた女を簡単に好きになるが、搾取されて最後は捨てられる運命でしかない男のこと)だった。渡辺にとっては、あまりにも過酷な現実がそこにあった。

力をつけたいと思った渡辺は、意を決して永沢から恋愛工学を学ぶ。そして、1日で数十人の女性に声をかける出会いのトライアスロン(水泳→自転車ロードレース→マラソンをこなすトライアスロンになぞらえている)に挑戦する。週末の街コン→ストナン(街中でのナンパ)→クラナン(クラブ……と言うより、ディスコでのナンパ)をこなし、永沢から様々な恋愛工学のテクニックを習得した渡辺は次々と女性と体を重ねていく。

引っ越しやジム通いをして自分を磨く一方で女をどんどん食いまくる渡辺だったが、それでも不調になることがある。その都度永沢から新しいテクニックを教わり(その過程で『利己的な遺伝子』という本を勧められる)、最終的にAランクの美女を落とすことに成功する。しかし、その時に相手した女性が婚約者だったことが仇となり特許事務所からクビを言い渡される。

その結果、他の事務所に行っても門前払いで肝心のナンパもうまく行かずに、アルジャーノンのチャーリィの最後と同じ失意のどん底に叩き落とされる。気分を変えるために孤独な下田への旅に出かけた時、渡辺に待っているものは――。

仕事では勝ち組でも恋愛では不運続きだった渡辺が立ち直ることが出来たのは、恋愛工学があったから……ではなく、女を口説くテクニックを知っていた永沢との出会いがあったからこそ、そしていつも寄っていたカフェの人が居たからこそ、そしてなにより資格をとっていたからこそ。人の縁と1年に及ぶ苦労の甲斐があってこそ、チャーリィのように障害者施設に行って孤独な人生を歩むようなバッドエンドを回避することが出来たのだ。もし最後の出会いがなければ、渡辺は以前より惨めな生涯を送っていただろうと思うと(別の事務所にすら入るのが厳しいとなればなおさら)……オタクになった渡辺も見たくなったけど、それはそれで別の話。

自分が非リア充なせいもあって、読んでいくたびに何度も「リア充爆発しろ」もしくは「リア充ざまぁ」と思うシーンが度々出てきます(特に第6章の冒頭の下り)。しかし、渡辺が苦労を重ねて最終的には報われるところを見ると、そう言えなくなります。幸せをつかむのは苦労があってこそ。苦労なくして非難してばかりでは何にも得られない。特に自分。反省orz。

また、本編中には「筆者は間違いなくドラクエやってんだろ!」と思わせる描写も幾つか見られます。

例えば、

「街コンっていうのは、ドラクエで言えば、まだレベル1とか2のやつが、スライムやドラキーと戦っているみたいなもんだよ」(p71)

と、街コンをドラクエのレベル上げに例えたり、疎遠になってしまった女性に対してさり気なくメールを送ることをザオラルメールと呼ぶあたり(もちろんザオラルの詳細も!)、「貴様、やっているな!」と突っ込みたくなりました。漫画版では主人公の部屋にPS3があったんだけど、今ならPS4にしても良かったんじゃないか? あくまで自分の考えだけど。

何もせずに座して死を待つより、何かをやり遂げて死ぬほうが人生は楽しい。今じゃ自分は道楽者になったけど、自分も何かしないと。

とにかく、エロゲ好きやライトノベル好きな人は読んでみると良いでしょう。読んで一笑に付すのもよし、前に出るもよし。判断は読んだ人にお任せします。小洒落た感じがするけど、ゲームが好きな人にはたまらない一冊です。漫画版をアフタヌーンで連載する理由がホントにわかるよ。なにせ、ドラクエ好きだろ! と思わせるシーンもあるし。

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫)
藤沢 数希
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小説

(2016年10月16日公開)

今ではエオルゼアとイシュガルドの大地で冒険者として生計を立てていますが、……と、昔語りはともかくとして、成人向けPCゲーム(以下、エロゲ)をラノベの題材に持ってきたのはこれが初。もちろん、作り手ではなく遊び手の側の物語です。

エロラノベ作家(巨乳)を姉に持つ小田桐一真は、誰からも好かれる性格の幼馴染・四ノ宮瑠璃がいるおかげでクラスでも孤立せずに済んでいた。もちろん、自分がエロゲオタであることも隠し通せていた。

口下手な性格のせいで担任から用事を言いつけられて居残りをした日、同じクラスの水崎萌香が三年生の知り合いでサブカルチャー研究会の部長である笹井結奈から渡された紙袋を差し出される。その袋の中に入っていたのは『最終痴漢バス3』(元ネタは『最終痴漢列車3』。2010年12月発売……って、もう6年前じゃないか!)だった。人生が終わったと悟った一真だったが、その次に萌香から、

「私をーーあなたの、カノジョ(奴隷)にしてほしいの」

と意外な形で告白されてしまう。もちろん了承する一真だったが、カノジョのところに奴隷とルビが降られるほどの萌香の行動はその翌日からエスカレートしていく。いきなりキスはおろか胸を触らせようとするし、いきなり痴漢モノのエロゲをやったり、短めのスカートを履いたり……。

エロゲを全く知らないヒロインが、エロゲに触れてしまったのがきっかけで悪影響を受けてしまうといった感じの話なのか? と思えばさにあらず。最後のほうでは一真がエロゲ愛好家となった理由もきっちりと描かれています。エロゲから始まる恋があっていいじゃないか。もちろん、18歳未満はエロゲはやっちゃいけません。小説に書いてあるからと言っても免罪符にはなりませんよ!

いやぁ、最近のファンタジア文庫は学園モノが充実しているなぁ。自分が若かりし頃はスレイヤーズ!がメインだったよ……と、いつの時代の人間だよ、と思わせて次巻に続く。

非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが…… (ファンタジア文庫)
滝沢 慧
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